公開日: 2022年11月10日

産後パパ育休や育児休業を取得した場合の社会保険料免除の考え方

従業員から「12月に育児休業を取得したい」という相談を受けた。10月より育児休業中の社会保険料の免除の取扱いが変わったことから、社労士に確認することにした。

先日、12月に子どもが生まれる予定の男性従業員から「育児休業を取得したい」という相談がありました。10月より育児休業中の社会保険料の免除の取扱いが変わったことは認識していますが、12月には賞与の支給があることから、取扱いがどのようになるのか確認させてください。

わかりました。育児休業はどれくらいの期間取得する予定ですか?

当社の年末年始休業に当たる2022年12月30日から2023年1月9日までをはさんで、その前後で取得したいと聞いています。具体的には、出産予定日の2022年12月20日から12月29日までの10日間と2023年1月10日から1月31日までの22日間で申し出る予定と聞いています。

なるほど。休日をはさんだ前後を、育児休業を2回に分けて取得する予定ということですね。育児休業は会社の休日も含んで1つのまとまった期間を申し出ることになっているので、会社の休日も含んで1つの育児休業として申し出る場合もあれば、今回のように2つに分割して申し出ることも想定されますね。ただし、分割して申し出た場合、育児・介護休業法では従業員の申出に沿って別々の休業として取扱いますが、社会保険料の免除では1つの育児休業等とみなします。

育児・介護休業法の休業の考え方と社会保険料の免除の考え方が異なるということですか?

その通りです。今回のケースについて、社会保険料の免除では育児休業等の期間が2022年12月20日から2023年1月31日までとなります。これを前提に、社会保険料の免除について確認していくと、12月の月額保険料は、12月の末日に育児休業を取得しているので免除となります。12月に支給される賞与にかかる保険料は、連続した1ヶ月を超える育児休業等を取得した場合に、月末が含まれる月に支給された賞与が免除となります。そのため、今回は1つの育児休業として考えることで、1ヶ月を超える育児休業となることから12月の賞与保険料も免除となります。

当社では産後パパ育休中に就業することができるようにしています。今回、相談のあった従業員からは就業の話は出ていませんが、仮に就業することとなった際、社会保険料の免除はどのように考えるのでしょうか?

これについては、育児休業の申出が12月1日から12月20日までの20日間という例で考えてみましょう。まず月額保険料については、月末に育児休業を取得したときだけでなく、育児休業の開始日と終了日の翌日が同じ月にあって、その月に14日以上の育児休業を取得した場合、免除となります。育児休業期間の20日間のうち5日間就業した場合、20日間から5日間を除くことになり「15日」となり14日以上という要件を満たすことから、月額保険料は免除となります。

この場合に就業した日数が7日間であれば、「13日」となり14日を下回るため、免除の対象にならないということですね。

その通りです。また、午前中だけ就業するといった時間単位で就業することもあるかと思いますが、この場合、産後パパ育休中の就業した時間の合計時間数を1日の所定労働時間数で除した数(小数点以下切り捨て)を就業日数として扱います。

就業がある場合は注意が必要ですね。賞与保険料の免除についても同様に考えるのでしょうか?

賞与は1ヶ月を超える休業とお伝えしましたが、賞与については就業していたとしても日数を除かないことになっています。

賞与は就業していたとしても日数の判断には関係がなく、暦日が1ヶ月超か否かで判断するということですね。育児休業の取得の申し出があった際には、事前に社会保険料の免除がどのようになるのか確認が必要ですね。

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