
昨年から育児介護休業法の改正が段階的に行われていますが、2023年4月からは常時雇用する労働者数が1,001人以上の企業は、男性労働者の育児休業取得率等を公表することが義務となります。このように、企業規模により情報の公表が義務付けられているものがあることから、以下ではその内容をとり上げます。
女性活躍推進法に基づき、女性の活躍に関する情報の公表が義務付けられています。公表する項目は、常時雇用する労働者数が101人以上300人以下の企業(以下、「101人以上の企業」という)であるか、常時雇用する労働者数が301人以上の企業(以下、「301人以上の企業」という)であるかによって異なります。
まず、101人以上の企業は、【A】女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供と、【B】職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備の16項目から1項目以上を選択し、公表する必要があります。
【A】女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供
- 採用した労働者に占める女性労働者の割合
- 男女別の採用における競争倍率
- 労働者に占める女性労働者の割合
- 係長級にある者に占める女性労働者の割合
- 管理職に占める女性労働者の割合
- 役員に占める女性の割合
- 男女別の職種または雇用形態の転換実績
- 男女別の再雇用または中途採用の実績
- 男女の賃金の差異
【B】職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備
- 男女の平均継続勤務年数の差異
- 10事業年度前およびその前後の事業年度に採用された労働者の男女別の継続雇用割合
- 男女別の育児休業取得率
- 労働者の一月当たりの平均残業時間
- 雇用管理区分ごとの労働者の一月当たりの平均残業時間
- 有給休暇取得率
- 雇用管理区分ごとの有給休暇取得率
そして、301人以上の企業は、【A】から「9.男女の賃金の差異」と1~8の1項目以上(合計2項目)と、【B】の1項目の情報を公表する必要があります。この「男女の賃金の差異」公表については、2022年7月8日の改正女性活躍推進法の施行により情報公表が義務付けられたものであり、施行後に最初に終了する事業年度の実績を、その次の事業年度の開始後おおむね3ヶ月以内に公表することになっています。例えば、事業年度が2023年3月に終了する場合、2023年6月末までの公表となります。さらに、この情報公表の内容は、おおむね年1回以上更新することが求められています。
常時雇用する労働者数が301人以上の企業については、労働施策総合推進法により正規雇用労働者の中途採用比率の公表が義務付けられています。公表内容は、「直近の3事業年度の各年度について、採用した正規雇用労働者の中途採用比率」です。ここでの「直近の3事業年度」とは、事業年度における正規雇用労働者の採用活動が終了し、正規雇用による中途採用者の状況を「見える化」することができる状態となった最新の事業年度を含めた3事業年度を指します。また、中途採用とは「新規学卒等採用者以外」の雇入れを指します。
この中途採用比率の公表は、2021年4月よりおおむね年に1回、公表した日を明らかにして行うことになっており、2度目以降は、前回の公表からおおむね1年以内に可能な限り速やかに公表することになっています。
常時雇用する労働者数が1,001人以上の企業は、2023年4月1日より男性労働者の育児休業取得率等を年1回、公表する必要があります。公表する内容は、公表を行う日の属する事業年度の直前の事業年度(公表前事業年度)における「男性の育児休業等の取得割合」または「男性の育児休業等と育児目的休暇の取得割合」です。具体的な算出方法は以下のとおりです。
- 男性の育児休業等の取得割合
(育児休業等をした男性労働者の数)÷(配偶者が出産した男性労働者の数) - 男性の育児休業等と育児目的休暇の取得割合
(育児休業等をした男性労働者の数+小学校就学前の子の育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者の数)÷(配偶者が男性労働者の数)
※いずれも公表事業年度の数であり、小数点第1位以下を切捨て
この公表は、公表前事業年度終了後おおむね3ヶ月以内に行うことになっています。
それぞれ公表はインターネット等によって行うこととされており、[1]および[3]は「両立支援のひろば」、[2]は「しょくばらぼ」を利用しての公表も含まれています。情報公表は初回に公表して終わりではなく、継続的に公表していく必要があります。情報の更新漏れがないように、リマインド通知設定をするなど工夫しておきましょう。
■参考リンク
厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html
厚生労働省「正規雇用労働者の中途採用比率の公表」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/tp120903-1_00001.html
厚生労働省「2023年4月から、従業員が1,000人を超える企業は男性労働者の育児休業取得率等の公表が必要です」
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001029776.pdf
厚生労働省「両立支援のひろば」
https://ryouritsu.mhlw.go.jp/
厚生労働省「職場情報総合サイト しょくばらぼ」
https://shokuba.mhlw.go.jp/
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。