新年度になり、新しくアルバイトを始める学生も多いことから、厚生労働省では例年開催している「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンを今年も実施しています。今回はこのキャンペーンの内容について確認をしましょう。
[1]主な取組内容
今回のキャンペーンでは、4月1日から7月31日にかけて都道府県労働局による大学等への出張相談や大学等でのリーフレットの配布等による周知・啓発等を実施されることになっています。具体的にはアルバイトを始める前に労働条件の確認を促すことなどが呼びかけられます。特に重点的に呼びかけが行われる項目として、以下の5点が挙げられています。
- 労働条件の明示
- シフト制労働者の適切な雇用管理
- 労働時間の適正な把握
- 商品の強制的な購入の抑止とその代金の賃金からの控除の禁止
- 労働契約の不履行に対してあらかじめ罰金額を定めることや労働基準法に違反する減給制裁の禁止
[2]特に注意したいシフト制での勤務
アルバイト学生については、学業との両立があることからシフト制で働くことが多くありますが、シフト制は、企業側も業務の状況によって、勤務を柔軟に調整できるというメリットがあります。その結果、企業が半ば一方的にシフトを変更するようなケースも見られ、アルバイト学生が予定していた勤務がなくなることで思うように収入が得られなくなったり、急なシフト変更によりの学業との両立が難しくなったりするなどのトラブルに発展することがあります。
このシフト制に関しては、2022年1月に厚生労働省よりリーフレット「いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」が公表されています。この中で、特に留意する事項として「始業・終業時刻」「休日」が挙げられ、例えば「休日」については、具体的な曜日等が確定していない場合でも、休日の設定にかかる基本的な考え方などを明記することが求められています。
企業としては、アルバイト学生だからということで、あいまいな対応を取らずに、改めてリーフレットの内容を確認し、アルバイト学生が安心して働くことができるようにしていきましょう。
■参考リンク
厚生労働省「令和5年度「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンを全国で実施します」
厚生労働省「「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。