年金制度への理解を深めること等を目的として、毎年誕生月に、公的年金の被保険者へ自分自身の年金記録が記載された「ねんきん定期便」が日本年金機構より送付されています。今回、厚生労働省が、このねんきん定期便に記載されている二次元コードをスマートフォンやタブレットで読み取り、生年月日を入力するだけで、働き方・暮らし方の変化に応じて将来受給できる年金額を、いつでも手軽に試算することができる「公的年金シミュレーター」を開発、公開しました。
1.公的年金シミュレーターの特徴
この公的年金シミュレーターの特徴は、以下の通りです。
- 「ねんきん定期便」の二次元コードを、スマートフォンやタブレットで読み込むだけで利用できる。
- 入力や条件設定などの操作が簡単でスムーズである。
- グラフで受給額を表示しながら試算できる。
- ID・パスワードが不要。
- データ管理も安心かつ安全。個人情報は記録されず、画面を閉じるとデータを自動消去される。
この公的年金シミュレーターは、簡易に試算することを目的としているため、実際の年金額とは必ずしも一致するわけではありません。試算条件によって年金額が過大・過小に算出されることがあるため、より正確な年金見込み額の確認をする場合には日本年金機構の「ねんきんネット」での確認を促しています。なお、ねんきんネットは、個別に発行されるユーザーIDとパスワードまたはマイナンバーカードによりマイナポータルからログインが必要となります。
2.公的年金シミュレーターの使い方
厚生労働省では、公的年金シミュレーターの使い方動画を公開しており、基本操作編とライフプラン編が用意されています。また、デモ用二次元コードが提供されており、デモ用の二次元コードを利用して操作することも可能です。
この公的年金シミュレーターは、現在、試験運転中とされており、今後、利用者視点による改善を行い、本格実施を開始されることになっています。また、税等の概算の一例は本格実施の際に公開される予定です。本格実施時期はいまのところ公表されていません。
社会保険の適用拡大を5ヶ月後に控え、将来の年金額への関心も今後高まっていくと思われることから、このようなシミュレーションができることを対象となる従業員に案内してみてもよいでしょう。
■参考リンク
厚生労働省「スマホで簡単に年金額試算「公的年金シミュレーター」を4月25日から試験運用を開始します!
https://www.mhlw.go.jp/stf/nenkin_simulator_press.html
厚生労働省「公的年金シミュレーター使い方ホームページ(試験運用中)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/kouteki_nenkin_simulator.html
日本年金機構「ねんきんネット」
https://www.nenkin.go.jp/n_net/index.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。